小さな、勇気。
わたしは、あまり自分から動くほうではなくて。
だけど、
なにかまたつながりたくて。
15年以上前のことを謝って。
「機会がありましたら、呑みに行ったりしましょう」
そんな文章を、添えた。
彼から、すぐに返信。
「あのときのことが、重荷になっていませんように」
そして
「じゃあ、週末あたりに呑みに行かない?」
とのこと。
急な展開に驚いて。
でも、
少し、期待していたのだと思う。
また会えることを。
話を詰めてくれることを。
最初は、軽く呑むという話。
だったのだけど、
お互いが、1日空いているという話になって。
お昼頃から待ち合わせをすることになって。
当日、
駅で待ち合わせをして、公園を歩く。
冬の時間は短くて。
夕暮れの肌寒い公園を散歩。
高校を出て、どんな進路だったのか とか。
他愛もない話をしながら、歩く。歩く。
日も落ちたところで、お店へ入る。
お酒をかたむける。
彼は、タバコを吸う。
小さなことが、新鮮だった。
学生時代にはなかった光景。
なんだか、ずっと不思議で
「先週のわたしには考えられない状況です」
と言ってしまう。
彼は
「誘ったのは、アナタでしょ!」
と笑う。
…そうか。
あれは、誘ったことになるんだな〜…と、ぼんやり思ったりして。
やっぱり、自分からそうしたいほど、なにか会いたい気持ちがあったのだ。
ふと、会話が途切れる。
彼は、まっすぐわたしを見る。
その視線に、
目を合わせるのが恥ずかしくて。
ずっと下を向いてしまう。
15年以上前、わたしをすきだと言ってくれた人。
もう、そんな感情もお互いなかったのだけれど。
会ってしまうと、照れてしまう。
学生時代の気分になってしまうのかな。
そして、なんとなく話は「恋愛」の方向へ。
わたしは、
あれから
すきだと言ってくれる人もいたし、すきな人もできたけれど、
全部成就しなかった。
彼は、
好きな子ができても彼氏がいたり、うまくいかなかった。
そう、言っていた。
お互い、このままじゃひとりだねって笑って。
15年以上空いた空間が埋まるのか、
会話が続くのか、
全部が不思議で不安だったけれど。
お店を出た後も、また別の店へ移ったりで。
結局、終電まで話をしていた。
そして
「また連絡するね」
と、改札で別れる。
ずっとあった、胸のつかえが取れた気がする。
そんな1日。
深夜に、彼からメール。
秋のあの日の再会から、
毎日のようにメールをくれる。
返信をすることが
イヤじゃないわたしがいる。
とりあえず今は、
この緩やかな関係が
続いていくといいなと思ってしまうのです。
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